大会長挨拶

 この度、多くの方々のご尽力により、これまで空白であった関東甲信越地区に、2017年6月、第1回関東甲信越アルコール関連問題学会埼玉大会が誕生することになりました。全国の各ブロックにアルコール関連問題に関する学会が活動する中、ようやく関東甲信越地区にも活動の場ができることになりました。その第1回大会を埼玉県川越市において開催することができますことは、感激に耐えません。
 アルコール・薬物依存症を初めとして、ギャンブル障害などのアディクションの支援に大切なことは、お互いが信頼で結ばれた地域での連携です。今回、この学会が誕生することにより、顔の見える連携を築いていける契機になることを期待しております。そして、支援者自身が孤立しがちなこの分野において、患者、家族、支援者のみなさんが元気になり、治療・支援の質が向上し、この分野に多くの支援に携わる方々が集って、関東甲信越から全国に新しい風を発信していけるような会に成長することを祈念しております。
 本大会では、「新時代のアディクション支援について考えよう」というテーマのもと、新学会誕生記念大会として、日本アルコール関連問題学会理事長の樋口進先生に記念講演として、「これからの依存症・アディクション治療の展望」についてお話しいただきます。特別講演として、宮田久嗣先生に「発達障害を基盤にもつアルコール依存症患者の見分け方と対応」、辻本士郎先生に「大阪方式からみたアルコール依存症の望ましい地域連携のあり方」を、教育講演として、韮澤博一先生に「アルコール依存症の看護を考える」と題してご講演をいただきます。いずれも、これからを見据えた治療・支援がテーマとなっております。
 シンポジウムは、「関東甲信越各都県からの現状報告とトピックス」、「新時代のアディクション支援について考えよう」の2企画を組みました。ワークショップは、「家族支援の総合的アプローチ」のテーマで中身の濃い内容となっております。
 大会開催はゼロからの出発であり、今回は一般演題の募集はできませんでしたが、まずは第1回大会を開催して動き出そうというみなさまの熱い思いとご支援で、開催にこぎつけることができました。ここがスタートです。職種、立場にかかわらず、依存症・アディクションの支援に関心のあるみなさまが楽しく集える場・交流の場になりましたら幸いです。
 埼玉県川越市は、小江戸と呼ばれる歴史のある街です。古い街並みの散策には絶好の環境にあります。多くの方々にお集まりいただき、関東甲信越の「依存症・アディクションの祭典」になることを祈念しております。みなさまのお越しをお待ちしております。

                 第1回関東甲信越アルコール関連問題学会埼玉大会会長
                 成瀬暢也(埼玉県立精神医療センター)














ページのトップへ戻る